私が一番近かったのに…
これでようやく、中山くんとの蟠りは解けたみたいだ。
安心した。これからは中山くんとも友達として接しられるみたいだ。

「来てくれてありがとう。今度はゆっくり愁と三人でご飯しようね」

「いいよ。でもまずはその前に、この男をどうにかしてからにしてね。また俺に敵意を向けられても困るから」

まずは、愁を大人しくさせるところから始めないといけないのかもしれない。

「そうだね。まずはこのバカをなんとかしておくよ」

この場を丸く収めるためにも、今日のところは中山くんに帰ってもらった。
わざわざ来てもらったのに、また気を使わせてしまって申し訳ない。今回はこのバカのせいだけど。
全く。どうして、誰に対しても対抗心を剥き出しにしてしまうのだろうか。
相手はあの中山くんだよ?信頼している友達なんじゃないの?

「愁、中山くんに敵意を向ける必要はなかったんじゃないの?」

「だって、二人でコソコソ話してたから、何を話してたのか気になって」

確かに逆の立場になって考えてみたら、二人が何を話していたのか、気になってしまう気持ちはよく分かる。
でも、このバカがこれから先もずっと、誰に対しても嫉妬していたら、収集がつかなくなってしまうので、それはそれで困る。
何とかしてこのバカが、中山くんくんにだけは嫉妬しなくなるようにしなくては。
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