私が一番近かったのに…
愁と大平さんのような、関係になりたい。
その前に、今はとりあえず愁の元カノのために何かしてあげたいという気持ちが強かった。
なので、俺なりにできることをしてあげることにした。
ちなみに彼女の名前は、飯田(いいだ) 幸保(ゆきほ)と言う。
そして、俺の下の名前は、和樹(かずき)だ。
それは一旦さておき、飯田さんとはあれからちょくちょく連絡を取り合っている。
あまりしつこくこちらから向こうの様子については聞かないようにしている。
ウザがられたらと思うと、聞けなかった。なので、他愛のない話をいつもメッセージでお互いに送り合っている。
それでも、彼女は俺との連絡を続けてくれている。それが俺はとても嬉しかった。
少しずつ彼女が前を向いてる。手助けになれているのかは分からないが、もしそうなれていたら嬉しいと思った。
そろそろまた彼女と会って話がしたい。今、彼女がどんな表情をしているのか気になった。
まだ愁のことを忘れられずにいるのだろうか。それとも、他に好きな人でもできたのだろうか。
どうして、俺は彼女のことがこんなにも気になっているのだろうか。
その答えが未だに出せずにいた。なので、誰かに相談してみることにした。


　　　　　　　　　　　◇


「急に呼び出してごめん。二人に話したいことがあって…」

最初は大平さんにだけ話そうかと思っていた。
いくら愁が大平さんしか見ていなかったとはいえども、一応、飯田さんの元彼だからである。
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