私が一番近かったのに…
しかし、大平さんと一体一で会うとなると、愁がまた嫉妬しそうなので、愁も呼び出すことにした。
本当は愁に話したくない内容だ。一応、付き合っていた元彼女のことだ。少なくとも少しは情があるはず…。
元彼に元カノが気になっているなんて話、聞かされても気まずいだけだ。
分かっていても、二人に相談せずにはいられなかった。

「全然大丈夫だよ。それで、中山くんの話したいことって…」

言うと決心して二人を呼んだのだから、全て胸の内を打ち明けてみることにした。

「実は今、気になっている人がいて…」

ここ最近あった出来事を、嘘偽りなく全て話した。二人は黙って最後まで俺の話を聞いてくれた。

「中山、話してくれてありがとうな。俺に話すの、勇気が必要だったよな」

愁は俺の気持ちを理解してくれた。
それはきっともう彼女に対して、何の未練もないからだと思う。

「うん。凄く勇気が必要だった。でも、愁ならきっと俺の気持ちを受け止めてくれると信じてた。
だから、こうして二人に来てもらったんだ」

本当は大平さんと二人っきりになると、愁が怖いからなんて言えないが…。

「俺は中山に相談してもらえて嬉しいよ。今まで散々、俺達の相談に乗ってもらってきたから、今度は俺達が中山の背中を押したいって、丁度この前、幸奈と話したばっかりだったんだ」

二人は本質的に優しい人達である。誰かのために犠牲になることを厭わない。
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