私が一番近かったのに…
二人に出会えたことで、俺は変わることができた。
俺の方こそ、いつか二人にお礼が言いたい。そのためにも、彼女と上手くいけるように、ひたすら頑張るしかなかった。


           ◇


二人に相談した次の日、早速、彼女を誘ってみた。
まだ早いかもしれないと思ったが、いてもたってもいられなかった。
彼女に自分の気持ちを伝えることで、自信を取り戻して、元気になってもらいたかった。
自分の気持ちじゃ無理かもしれない。それでも、自分の気持ちを知ってもらいたいと思った。

今日のデートプランは、まずは水族館に行き、お昼に水族館のレストランで昼食を摂り、最後に水族館の近くの海で告白するといったプランだ。
上手くいくかは分からない。少しでも彼女に笑顔で楽しんでほしいと思い、このデートを決行した。

待ち合わせ時間の十分前に着いた。女性よりも先に待ち合わせ場所に向かう。これは男として、当然の礼儀だ。
まだ彼女は待ち合わせ場所には来ていなかった。よかった…。彼女よりも先に来れて。
暫く彼女のことを待っていると、丁度待ち合わせ時間ぴったりに、彼女は待ち合わせ場所に訪れた。

「遅れてすみません…。待たせてしまいましたか?」

「大丈夫。さっき来たばかりだから、そんなに待ってないよ。
それに、飯田さんは遅刻してないから、謝らなくても大丈夫だよ」

携帯のロック画面を見せて、現時刻を教えてあげた。
彼女は時間を見て、自分が遅刻していないことに、安心したみたいだ。
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