私が一番近かったのに…
君の笑顔が大好きだからこそ、君のことを世界一幸せにすると、この時誓った。


           ◇


「で、中山、報告ってなんだ?」

また二人をファミレスに呼び出した。
二人には報告しておきたかった。相談に乗ってもらったお礼に。

「実は先日、告白してオッケーをもらって。幸保とお付き合いすることになりました」

自分でも驚くくらい、こんなに順調で大丈夫なのか?と不安になることもある。
それでも彼女は、俺を選んでくれたのだから、今は不安な気持ちよりも、彼女とこの先もずっと幸せでいられますように...という気持ちの方が強い。

「中山、おめでとう。お前なら大丈夫だと、俺は信じてたよ」

元彼という複雑な立場でありながらも、愁が背中を押してくれた。
だから、俺は彼女に告白する勇気が持てたのかもしれない。

「中山くん、おめでとう。自分のことのように嬉しいよ」

かつて好きだった女の子と、こうして友達になれてよかったと思う。
男女の友情は成立しないとよく聞くが、俺は成立すると思う。こうして、俺と大平さんは友達になることができたのだから。
大平さんは俺にとって、特別な人だ。彼女もきっと同じように思っているに違いない。
これから先も大平さんとは友達として、こんなふうに色んなことを話せたら嬉しい。愁を交えながら…。

「ありがとう、愁と大平さん。二人が背中を押してくれたお陰だよ」

俺の人生は、大平さんと出会ったことで変わった。
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