天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす

「ん、んっ……」
「そうやってかわいい声出すのも……蕩けそうな目をするのも……」

 話しながら、はむ、と私の上唇を挟んで美味しそうに吸ってみせる嵐さん。

 チュッと鳴るリップ音が恥ずかしいけれど、心地よい感触にただ身をゆだねる。

「俺の前でだけって、約束、な……」

 甘い独占欲を垣間見せる彼に胸がきゅうっと締めつけられて、こくこく頷く。

 満足げに口角を上げた彼が、唇のすき間を縫って舌を差し込んだ。

「は……ふぅ、ん」

 なんとなく、嵐さんのキスのやり方を覚えてきた私は、自分からも下手なりに舌を絡めたり、彼の吐息まで食べるように唇を重ねてみる。

 ふたりの間で弾ける唾液の音が淫らで、キスをすればするほどもっと彼が欲しくなる。

 気が付いた時には膝に力が入らなくなっていて、へたりこみそうになる寸前に、嵐さんが「おっと」と腰を支えて抱き留めてくれた。

 こつんと額を合わせ、瞳を覗かれる。

「……腰が砕けるほどよかった?」
「それは……言えない、です。恥ずかしすぎて」
「ま、顔を見ればわかるけどな」

 嵐さんの手のひらが、頬をくすぐるように撫でる。

 軽く頬を膨らませたらあやすように軽くキスされて、簡単に機嫌の直った私を彼がふっと笑った。

 それから、また優しく抱き寄せられる。

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