天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす
私って、嵐さんのためならなんでもできてしまうのかもしれない……。
そこまで思うと、胸の奥がきゅっと痛くなる。
さっきまで一緒にいたのに、もう会いたい。……いつ帰ってくるんだろう。
お腹が満たされてせっかく元気が出たのにまた暗くなってしまいそうで、気を取り直すように食器を片づけ始めた。
彼が帰ってくるまで起きていたかったけれど、ゆっくりお風呂に浸かった後でもまだ帰ってくる気配がなかったので、仕方なく先に休むことにする。
しかし、自分の部屋のベッドではやけにシーツが冷たく感じられて、なかなか寝付けなかった。
無理やりまぶたを閉じて羊でも数えようとしていたその時、ふと出来心がわく。
嵐さんのベッドにお邪魔してもいいだろうか。本人はいないけれど、彼の香りに包まれれば安心して眠れる気がする。
いつも別々に寝ているとはいえ、掃除のときや借りたい本があるときなど、部屋に入るのは自由だと言われている。
……寂しい時も、きっといいはずだよね。
枕だけ自分の部屋から持参して、彼の部屋のドアを開ける。