天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす

「愛しています、嵐さん。ずっと、あなたの隣にいさせてください」

 彼の胸の中でそっと顔を上げ、温かい涙を浮かべながら告白する。

「俺も愛してる。紗弓のいない人生はもう考えられないんだ。誰にも渡さない」

 嵐さんは力強くそう言うと、私の体をソファからひょいと抱き上げる。寝室に移動するのだとわかり、心臓が口から飛び出しそうになった。

 でも、私だってそうしたいから……。

 
 彼の部屋のベッドに優しく下ろされ、嵐さんは上半身のスウェットを脱ぐ。

 筋肉がついて逞しい腕や熱い胸板、引き締まったウエスト。男性らしく均整の取れた体がとても綺麗だ。

 見とれていると彼が四つん這いで覆いかぶさり、まつ毛を伏せて顔を近づけてきた。私は目を閉じて彼の首に腕を回し、優しいキスを受け止める。

 嵐さんの唇はチョコレートより甘く、お酒のように私をくらくらさせる。

「ん、んっ……」
「もう、遠慮しないから……覚悟して」

 低く艶っぽいで囁いた彼が、キスをしながら私の体を服の上からまさぐる。

 くすぐったいような感覚に身を捩ると、濡れた舌がつうっと首筋に這わされて体が跳ねた。

< 207 / 229 >

この作品をシェア

pagetop