天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす

「嵐さん……好き、好き……っ」

 だけど伝えようと思っても、思考がぐずぐずに蕩けて、短い言葉しか発せない。

 代わりに視線を絡め、もどかしい気持ちをたくさんのキスにこめる。

 どんなに見つめ合い、舌を絡め腰をぶつけ合っても、足りないくらい、嵐さんが愛おしい。

「ちゃんと伝わってるよ、きみの気持ち。だから、安心して――」

 彼の唇が耳元に寄せられ、この上なく官能的に「()って」とささやいた。

 最愛の旦那様からの甘美ないざないに抗えず、目の前で星が散ったような感覚の後、大きく体を痙攣させて快楽の波に飲み込まれた。

「紗弓」

 脱力した体をシーツに横たえ、嵐さんが呟く。私は甘い余韻でふわふわとしたまま、そっと彼の方に寝返りを打った。

 優しい目をした彼と、視線がぶつかる。

「きみのおかげで、家族の温かさを……愛しい人がそばにいる幸せを思い出した。本当にありがとう」
「嵐さん……」

 お礼を言いたいのは私の方だ。私はあなたに出会って、こんなにも幸せな気持ちを教えてもらった。

 たまらず彼に寄り添い、ギュッと抱きつく。

 嵐さんはそれに応えるように甘いキスをくれて、じゃれ合ううちに体を熱くした私たちは再び肌を重ね合い、濃密な夜を過ごした。

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