天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす
元恋人の来訪

 翌日の月曜日は出勤だった。私の職場は、羽田空港の中でも、国際線が離発着する第三ターミナルの四階と五階で営業している『青い鳥プレミアムラウンジ』。

 仕事はシフト制なので、日曜日が休日だったのは偶然だ。

 ラウンジの中にはレストランやバー、ビジネスエリアやシャワールームがあり、出国審査を終えてから搭乗するまでの時間を好きなように過ごすことができる。

 利用できるのはファーストクラスの乗客と、マイレージ上級会員のみ。グレー系のインテリアでまとめられた内装はシックで、窓辺からは間近で駐機スポットの様子が見渡せる。

 そんなラウンジの中でも私が担当しているのは、四階のレセプション。

 それぞれのエリア担当者と連携しながら、お客様の出迎えと席への案内、見送りを行う。

 制服は白いインナーに紺のシンプルなスーツ、ブルーバードエアラインのイメージカラーである空色のスカーフを巻けば完成。

 おくれ毛が出ないようきっちりと髪をお団子にするのも最初は下手だったけれど、ラウンジスタッフ七年目となった今ではお手の物だ。

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