天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす
「でも、青桐は自分できみとの関係を壊したんだ。紗弓の心にも体にも、もう二度と触れさせない。……全部、俺のだ」
嵐さんはその言葉を体現するように、私の背中を引き寄せてギュッと抱きしめる。
彼の逞しい胸に耳を押し当てたら、騒がしい鼓動が聞こえた。
耳を澄ませているだけで、愛おしさが増す。
「……嵐さんも」
「ん?」
「嵐さんも、私のです。誰にもあげません」
まるで子どものワガママと同じ理屈。だけど素直な気持ちだ。
大人になっても、好きなものや人をひとり占めしたい気持ちは、誰にでもある。
だからこそ、最愛の人には包み隠さず、その気持ちを伝え続けたい。
嵐さんは優しく微笑むと、私の両手を取って自分の頬に添える。それから蕩けそうな眼差しで瞳を覗き込み、甘えるように言った。
「……もちろんだ。いつでも、紗弓の好きにして」
「好きに……こう、ですか?」