天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす
ドキドキしながら、目の前にある薄い唇をそっと啄む。
人って、体のやわらかい部分を触れ合わせると、どうしてこんなに相手が愛しくなるんだろう。
キスをするたびに、嵐さんの存在が胸の中で膨らむ。
「そんなに遠慮がちなキスでいいのか?」
「えっ?」
「もっと、紗弓が欲しいだけ、食べて」
彼の低い囁き声に、体の芯がジンと疼く。だけど、羞恥に負けてパッとうつむいてしまう。
そんなに何度も自分からキスする勇気は、残念ながらまだないのだ。
一度軽いキスをしただけでも頬が熱くて仕方がない。
「真っ赤。かわいいからこっちを向いて」
「む、無理ですよ。今日はこれくらいにしましょう?」
「冗談言わないでくれ。今度は俺が好きにする番だ」
ドキッと鼓動が跳ねると同時に、彼の大きな手に後頭部を引き寄せられ、唇を塞がれる。
角度を変えて何度も、上唇を下唇とを分けて食んだり、ちゅうっと吸い付いたり、嵐さんは夢中で私の唇を貪る。
時折かかる吐息が熱くて、頭がくらくらした。