■□暴言反対!!□■
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その日は移動教室があったので、私は麻衣とその教室に向かうことにした。
長い廊下をおしゃべりしながら歩く。
そのとき、廊下の奥のほうにあの人がぼやけてだけれど見えた。
矢沢先輩だぁ………!!
パッと心が明るくなる。
足を進めるたびに先輩との距離が近づいていく。
先輩の存在に気づいた麻衣が私をひじで小突く。
3メートル……2メートル……
だんだん先輩との距離が短くなっていく。
そして
もう、すれ違う――――――
あれ……?
今日はなにもしてこない……?
そう、心が沈んだときだった。
ギュ!!
「いったぁい!!」
先輩に結んだ髪を引っ張られた。
振り向くとニヤリと笑みを浮かべている先輩。
「最悪っ!!」
私は先輩にそう叫んだ。
いや、心の中はその真逆だったんですが(恥っ