【受賞】【コミカライズ】病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
たまにはわがままを言って甘えたかった。
がんばった分だけ褒めて欲しい。
両親との時間も少しでいいから一緒にいて欲しいと思っていた。

(お父様とお母様は、どうしてわたくしを見てくれないの?)

コレットができないと泣いて喚こうものなら、両親は頬を引っ叩いてこう言った。
コレットには完璧にすることだけを求められていた。
多くのものをこなして、少しの失敗も許されることはない。

『リリアーヌと違って、あなたには時間があるでしょう!?どうしてこんな簡単なこともできないの!?』
『リリアーヌはあんなに苦しんでいるというのに……まったくお前はくだらないことを言いおって!』
『少しはリリアーヌの気持ちを考えたらどうなの!こうやって学べることができるのだから、ありがたいと思いなさいっ』

しかしリリアーヌはその場にいて笑うだけですべてが許される。
何をしなくとも愛されて大切にされている。

(お父様とお母様はわたくしの気持ちを考えたことあるの……?)

そんな心の叫びは声に出ることなく消えていく。
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