かつて女の子だった人たちへ
「あの……私……」

この件について、初めて優しい言葉をかけられ、芽里は涙が出そうになっていた。
中傷を多く受けた結果、自分が悪い、価値がないと感じられて仕方なかった。どれほど強くあろうとしても、尊厳が傷ついてしまっていた。

「私、トモカ。メリーさん、だよね」

芽里はこくりと頷く。トモカと名乗った彼女は続けて言った。

「ここの仕切りをやってる古参と知り合いなの。紹介するから会ってみない?」
「え?」
「ジュリンのTO(※トップオタク)のミヤナさん。メリーさんがメン地下初心者で、悪気がなかったって釈明すれば、きっと悪意のある書き込みをしている人たちを止めてくれるよ」

それがどんな行先への切符なのか芽里にはわからなかった。
しかし、トモカがさしだしてきたものは、この現場で生きていける道なのかもしれない。
この場所でしか、芽里はレイキに会うことができないのだ。



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