かつて女の子だった人たちへ
「メリー、今日はあなたがレイキの前、いきなよ」
ミヤナは親しげにそう言う。
「いいんですか?」
「メリーが『ミルkey』を盛り上げてるのなんて、みんな知ってるよ。誰も文句言わないから行きな。レイキもきっと喜ぶよ」
「嬉しい。ありがとうございます」
そう笑顔で答えながら、(なんでこいつにレイキとの仲を許可されなきゃいけないの)とも思う。この界隈にいる限りはそうなのだと理解はしているが、うっとうしい気持ちには変わりはない。
「今日、チェキはどうする?」
「あー、列次第ですね。一応10限できる分はあるんで」
10限とは10回ループできる分という意味だ。100枚のチェキ代である。
「今日のカギ閉めはメリーだよ。今のメリーは『ミルkey』の理想的なファンだと思ってる。これからもよろしくね」
「ありがとうございます」
お門違いな許可と承認に笑顔を返し、芽里は最前列に向かう。今日はレイキが目の前だ。目に焼き付けておかなければ。
芽里はライブを全力で楽しんだ。
「次回、新曲やるからね」
「衣装も新しいよ」
「またチェキいっぱい撮ろうね」
(なんだ、せっかくなら新衣装のときに10限すればよかった)
ミヤナは新衣装前だからメリーに鍵閉めを許可したのだ。しかし、そんな情報を知っているとしたら、やはりミヤナはジュリンの繋がりなのだろう。
(まあいっか。私だって、レイキとは個人的に連絡取れるもん。レイキから誘われてごはんだって行ってる。相談だってされてる)
もちろん芽里の気持ちは推しとファンだ。大好きな推しに必要とされる喜びから、お金を捻出し、現場に通う。推しが頑張っている姿が芽里を癒す。
(私たちの関係は健全)
ミヤナは親しげにそう言う。
「いいんですか?」
「メリーが『ミルkey』を盛り上げてるのなんて、みんな知ってるよ。誰も文句言わないから行きな。レイキもきっと喜ぶよ」
「嬉しい。ありがとうございます」
そう笑顔で答えながら、(なんでこいつにレイキとの仲を許可されなきゃいけないの)とも思う。この界隈にいる限りはそうなのだと理解はしているが、うっとうしい気持ちには変わりはない。
「今日、チェキはどうする?」
「あー、列次第ですね。一応10限できる分はあるんで」
10限とは10回ループできる分という意味だ。100枚のチェキ代である。
「今日のカギ閉めはメリーだよ。今のメリーは『ミルkey』の理想的なファンだと思ってる。これからもよろしくね」
「ありがとうございます」
お門違いな許可と承認に笑顔を返し、芽里は最前列に向かう。今日はレイキが目の前だ。目に焼き付けておかなければ。
芽里はライブを全力で楽しんだ。
「次回、新曲やるからね」
「衣装も新しいよ」
「またチェキいっぱい撮ろうね」
(なんだ、せっかくなら新衣装のときに10限すればよかった)
ミヤナは新衣装前だからメリーに鍵閉めを許可したのだ。しかし、そんな情報を知っているとしたら、やはりミヤナはジュリンの繋がりなのだろう。
(まあいっか。私だって、レイキとは個人的に連絡取れるもん。レイキから誘われてごはんだって行ってる。相談だってされてる)
もちろん芽里の気持ちは推しとファンだ。大好きな推しに必要とされる喜びから、お金を捻出し、現場に通う。推しが頑張っている姿が芽里を癒す。
(私たちの関係は健全)