かつて女の子だった人たちへ
「敬士大好き。私、敬士ほど好きになった人いないよ」
「レミこんなに美人なのに? 今までだって、すごくモテてきただろ」
「寄ってくるのは変な人ばかりだよ。奥さんのいる男性に優しくされたって、下心しか感じないじゃない。軽い女だって見えちゃうのかな、真面目に恋愛したいのに」
令美は目を伏せ寂しそうに言い、それから抱き合った姿勢のまま敬士を見つめた。
「私は私だけを好きでいてくれる人に出会いたかったの。そうしたら敬士に出逢えた」
「うん、俺は令美だけを見てるよ」
「運命だって思ってる」
「可愛いこと言うなあ、レミは」
甘くささやき返してきた敬士が当然のようにベッドに令美を押し倒した。始発で家に戻らないと時間が厳しいと思いつつ、令美はキスに応え脚を絡めた。同棲というワードが出たのだから、このくらいのサービスはするべきだろう。
敬士はなかなかいい。
上場企業の花形部署に勤め、将来性は抜群。見目もよいし、爽やかで真面目そうに見えてノリもいい。セックスも上手で、デートの金払いもいい。
彼氏としては最高。さらにこのクラスの男は三十代までには結婚を決めてしまうだろう。そして自分が三十代になったとき、敬士のような男は捕まらない。見た目に気を遣っていても、二十代というブランドが使えるうちに優良な男は捕まえておくべきだ。
(未来の旦那にちょうどいい)
令美は甘い声をあげながら冷静に考えていた。
「レミこんなに美人なのに? 今までだって、すごくモテてきただろ」
「寄ってくるのは変な人ばかりだよ。奥さんのいる男性に優しくされたって、下心しか感じないじゃない。軽い女だって見えちゃうのかな、真面目に恋愛したいのに」
令美は目を伏せ寂しそうに言い、それから抱き合った姿勢のまま敬士を見つめた。
「私は私だけを好きでいてくれる人に出会いたかったの。そうしたら敬士に出逢えた」
「うん、俺は令美だけを見てるよ」
「運命だって思ってる」
「可愛いこと言うなあ、レミは」
甘くささやき返してきた敬士が当然のようにベッドに令美を押し倒した。始発で家に戻らないと時間が厳しいと思いつつ、令美はキスに応え脚を絡めた。同棲というワードが出たのだから、このくらいのサービスはするべきだろう。
敬士はなかなかいい。
上場企業の花形部署に勤め、将来性は抜群。見目もよいし、爽やかで真面目そうに見えてノリもいい。セックスも上手で、デートの金払いもいい。
彼氏としては最高。さらにこのクラスの男は三十代までには結婚を決めてしまうだろう。そして自分が三十代になったとき、敬士のような男は捕まらない。見た目に気を遣っていても、二十代というブランドが使えるうちに優良な男は捕まえておくべきだ。
(未来の旦那にちょうどいい)
令美は甘い声をあげながら冷静に考えていた。