利害一致のお飾り婚だったので初夜をすっぽかしたら大変なことになった
3.ジョブチェンジという可能性
――愛され妻。
今までガッカリされたことしかなかったこの私がお飾りの妻から愛され妻という素敵ジョブにミラクルチェンジしたかもしれない、と気付いた……のだが。
“いや、私のどこがいいっていうの?”
過去の私は何かしらをしているロベルトの近くで寝転がり怠惰を極めながらおやつを食べまくっていた。
どう思い返しても美しい思い出なんてものは出ず、だがロベルトが嘘を吐いているようにも見えない。
「つまり、究極的に趣味が悪いってことなんじゃ」
「なに? ふむ、これは気に入らなかったか」
私の呟きにハッとした表情をしたロベルトが、手に持っていた帽子を店員へ渡す。
「あ、ごめん、ちょっと考え事をして……」
「すまないが趣味がいいものを全部持ってきてくれ」
「だから考え事をしてただけで! 帽子の趣味が悪いって言ったんじゃないからッ」
すっぽかした初夜について話し、互いの政略結婚という認識についても擦り合わせ、早めの昼食をフラスキーニ家で一緒に取った私たち。
会いに来る時間までも含めバリバリ仕事を詰め込んだ結果ロベルトが勝ち取った結婚後の休暇は1ヶ月あるらしく。
今までガッカリされたことしかなかったこの私がお飾りの妻から愛され妻という素敵ジョブにミラクルチェンジしたかもしれない、と気付いた……のだが。
“いや、私のどこがいいっていうの?”
過去の私は何かしらをしているロベルトの近くで寝転がり怠惰を極めながらおやつを食べまくっていた。
どう思い返しても美しい思い出なんてものは出ず、だがロベルトが嘘を吐いているようにも見えない。
「つまり、究極的に趣味が悪いってことなんじゃ」
「なに? ふむ、これは気に入らなかったか」
私の呟きにハッとした表情をしたロベルトが、手に持っていた帽子を店員へ渡す。
「あ、ごめん、ちょっと考え事をして……」
「すまないが趣味がいいものを全部持ってきてくれ」
「だから考え事をしてただけで! 帽子の趣味が悪いって言ったんじゃないからッ」
すっぽかした初夜について話し、互いの政略結婚という認識についても擦り合わせ、早めの昼食をフラスキーニ家で一緒に取った私たち。
会いに来る時間までも含めバリバリ仕事を詰め込んだ結果ロベルトが勝ち取った結婚後の休暇は1ヶ月あるらしく。