利害一致のお飾り婚だったので初夜をすっぽかしたら大変なことになった
「ほら、もう寝てろ」
「う、うん」

 少し熱いロベルトの手のひらで視界を覆われた私の胸がきゅうっと締め付けられる。

“昔はこんなことしなかったくせに”

 ロベルトの手が思ったよりもずっと優しく温かかったからか、“こんなにドキドキさせられたら寝れないわよ”なんて思ったのも一瞬だけで、私はあっさりと意識を手放したのだった。
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