利害一致のお飾り婚だったので初夜をすっぽかしたら大変なことになった
「体だけの関係を築いても意味がないって思ったんだ、ちゃんと想い合ってこそ、その、するべきじゃないだろうか?」
「想い合って……」

“ロベルトがそんなことを考えてくれていたなんて”
 
「今まで一緒にいれなかった分、リネアと行きたいところが沢山あるんだ」
「げっ」
「休みは1ヶ月しかないからな、目一杯思い出を作ってだな」
「げげっ」
「時間が全然足りないだろう、今日は二ヶ所しか行けなかったから明日は最低五ヶ所は回ろう」
「スタンプラリーでもやってるの!?」

 連れ回される未来が予言されたことで目の前が暗くなったように感じた私は、その全てを否定するように頭を大きく左右に振った。


「いえ、やっぱりここは初夜よ。すっぽかしたせいでこうなったならやり直す、それでぐうたらに解決なのよ……!」
「ぐうたらに解決ってなんだ!? むしろ体を酷使す……ツッ」

 まだ何かごちゃごちゃ言っているロベルトの口を塞ぐように無理やり口付けると、勢い余ったせいか歯がガキンとぶつかる。

 肉体的ダメージは大だが、この程度で精神的ダメージを負う私ではない。
< 32 / 49 >

この作品をシェア

pagetop