利害一致のお飾り婚だったので初夜をすっぽかしたら大変なことになった
「……つまり、恋人ではなく夫婦にだけ許された行為をしようって、ことか?」
「えぇ、そう…………、え?」
「いや、こんなことリネアから言わせて悪かった。思えばはじめての夜もリネアに連れ込まれたんだったな」
「ま、待って。嫌な予感がするから待って」
「あぁ、ちゃんとわかっている。今日は二人だけでベッドで過ごそう、つまりお家デートだな」
「それベッドデートじゃない!?」
ふわりと微笑むロベルトの笑顔はどこまでも純粋で、だからこそ本気でそう思っているのだと察した私は一気に青ざめた。
理由はもちろん、つい先日も体がピクリとも動かないくらい求められたばかりだったからで――
「ごめん! 違う、違うから、そうじゃないの、いい? 私はデートの内容を小刻みにして欲しいってことで!」
「小刻みに動いて欲しいってことか?」
「なんで!? どうしてそうなるの!? デートよ、デートの内容を」
「お家デートで、小刻みだろ?」
「違う違うちがぁぁぁう!!」
「大丈夫だ、妻の願いは叶えよう」
にこにことしながら私を抱き上げたロベルトが向かうのは部屋の奥。
どう考えてもベッドの方で――……
“叶わない! これ絶対叶わないやつだ!”
私は今日も、明日くるだろう筋肉痛のことを思い項垂れたのだった。