溺愛の檻から逃がしてくれない
「君の妹、捕まったよ。」
「え?」
私、紫咲 陽花(むらさき ようか)、17歳はごく普通の人生を送っていたはずです。
ちょっと前までは。
両親が離婚して、母方のおばあちゃんの家に住んでいるくらいしか人と違いません。
ぴっちりとしたスーツ姿の金髪。
と、いうなんともチグハグな格好をした男の人が、学校帰りの自分に瓶子(へいし)と名乗ったと思えば。
…そんなことを言い出した。
妹もおばあちゃんもまだ帰ってなかったから私は一人。
少し怖かったけど、怪しいと思ったらすぐ逃げようと思って、居間に座らせてお茶を出したのがおよそ五分前の話です。
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