14年目のクリスマス

テーブルに並べられた料理たち。

どれも美味しそうだ。

「ありがとう。
こんなに作るの大変だったろう?」


「うん!でもせっかくのクリスマスだもの!
頑張っちゃった!」


得意そうに笑うサキ。

サキは普段、あまり料理をしない。

キッチンで奮闘していたであろう姿が目に浮かび、思わず笑みが漏れる。


「さあ、さっそく食べようか」


食器棚から持ってきた3つのグラス。

透明のワイングラスに、アルコール度数の低い子供用のシャンパンを注ぎ、サキに手渡す。

トナカイの絵が描かれた色違いの2つのグラスにもシャンパンを注ぐ。

そのうちの緑色のグラスを手に持ち、赤いほうはテーブルに置いた。


「じゃあカンパイしよう」


グラスを合わせると、軽い音が響いた。


「「 メリークリスマス 」」





< 10 / 18 >

この作品をシェア

pagetop