14年目のクリスマス
でも、僕が君に出会ったように
いつかサキもたった一人の人と出会って、幸せを見つけていくのだろう。
それまで、この子を見守っていくことにするよ。
サキの幸せは、君が一番望んでいることだからね。
あの日─…
君が僕に生きる絶望と同時に、生きる希望を与えてくれた日。
握りしめた青白い手を思い出す…。
───……
『この子の名前を決めたの…。
”幸せを祈る”と書いて、
幸祈(サキ)って読むの。
安易かな…?ふふふ。
でもね、それ以外の名前は思いつかなかったんだ…』
───…
大丈夫だよ。
君が名前をつけた幸祈は、とってもいい子に成長している。
まっすぐで、素直な気持ちを持った女の子だ。
人を気遣うことだって出来る。
少しお転婆なところもあるけどね。
そんな子が幸せになれないはずないだろう?
そうだろう─…?
瑞希……