14年目のクリスマス
***
壁にかけられた振り子時計の低い音が、家の中に響き渡った。
この時計は、一時間ごとに音を鳴らす。
どうやら一時間も読書に没頭していたらしい。
小さく伸びをし、本を閉じてテーブルの上に置く。
飲みさしのまま放置されていたコーヒーを一気に飲み干して、立ち上がった。
窓辺に移動し、曇ったガラスを拭きとって外の様子を確認する。
綿菓子のような雪が、次から次へと空から舞い散ちてくる。
大粒で力強い降り方からして、暫く止むことはないだろう…。
「ホワイトクリスマスか」
枝に雪が積もり、白く染まった木々が街灯に照らされて、キラキラと輝いている。
まるで、すべての木がクリスマスツリーになったようだ。
「パパ…出来たよ…」
サキの声に、振り向く。
先程とは打って変わって、覇気のない沈んだ声。
表情も暗く、落ち込んでいることは一目瞭然だった。
「どうした?
まさか火傷でもした?」
「ううん。実はね…コレ…」
サキはテーブルの上を指差した。
壁にかけられた振り子時計の低い音が、家の中に響き渡った。
この時計は、一時間ごとに音を鳴らす。
どうやら一時間も読書に没頭していたらしい。
小さく伸びをし、本を閉じてテーブルの上に置く。
飲みさしのまま放置されていたコーヒーを一気に飲み干して、立ち上がった。
窓辺に移動し、曇ったガラスを拭きとって外の様子を確認する。
綿菓子のような雪が、次から次へと空から舞い散ちてくる。
大粒で力強い降り方からして、暫く止むことはないだろう…。
「ホワイトクリスマスか」
枝に雪が積もり、白く染まった木々が街灯に照らされて、キラキラと輝いている。
まるで、すべての木がクリスマスツリーになったようだ。
「パパ…出来たよ…」
サキの声に、振り向く。
先程とは打って変わって、覇気のない沈んだ声。
表情も暗く、落ち込んでいることは一目瞭然だった。
「どうした?
まさか火傷でもした?」
「ううん。実はね…コレ…」
サキはテーブルの上を指差した。