不滅のユースティティア。
prologue
はるか昔。
一国を争う戦いが四方八方で繰り広げられていたという。
そのなかでも広大な海と山々に囲まれたこの地───エーテル国では、武力や知力よりも上に立つ唯一の権力があった。
それが、魔法である。
領土、金、食糧、住み処。
ありとあらゆるものに対して争いが起きることは、どの国も、どの時代も同じこと。
しかしエーテル国では、魔力同士のぶつかり合いによって人々を喜ばせ、また苦しめ、血と涙を流させるものが“魔法”と呼ばれていた。
なだやかな草花をも飲みこむ【風】、
ウェントゥス─ventus─
大地だけでなくヒトをも凍らせる【氷】、
グラキエース─glacies─
泣いている子供すら癒しはしない【治癒】、
サナーレ─sanare─
それらを使える特殊属性にして暗闇を広げる【光】、ルークス─lux─
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