不滅のユースティティア。
「………ひさし、ぶり」
触れる数センチのところで、バンッッ!!と、ドアが勢いよく開いた音。
「あっんの馬鹿……ッッ!!」
「───うあ……っ!!」
背後から駆けつけてきた誰かに、ぐいっと引っ張られた襟。
そのまま理事長室の端から端、容赦なく放り投げられて飛ばされたものの。
ちょうどな場所にソファーが飛んできては、身体を壁に打ちつけることは免れた。
「江架ッ!!おまえ……!!」
「死にたくねえなら動くな!!!」
「っ、」
ルス先輩の動きを止め、私に背を向け、巨大なブラックホールを前に立ちはだかる男。
どこかで見覚えがあった。
そのデリバリー姿、ふかく被った帽子。
ぶおおっと荒れた熱風に、帽子がやっと取れる。
覗いたピンクブラウン、リング状のシルバーピアス、低い声。
ルス先輩の魔力がMAXだとすれば、彼の魔力は比べるまでもなく、とうに超しているものだった。