不滅のユースティティア。
「こいつに無理やり魔力を出させるようなことしたか」
この状況で問いかけられるとは思っていなかったのか、消えそうな声で反応したSクラスの特待生。
こいつ、とは。
たぶん私のことを指している。
「ずっと続けてた何かを辞めさせたりしたかって聞いてんだよ」
「……しま、した」
ずっと続けていた、なにか……。
あ───、魔法書だ。
夜巳おばあちゃんから貰った私の宝物。
魔力開花させるまではぜったい読まないようにって、特訓を始めたばかりの頃にルス先輩と約束した。
「チッ、余計なことしやがって」
ハッキリと聞こえた舌打ち。
やっぱり眼鏡と一緒で意味があるものだったんだ…、あの魔法書も。
「いいか覚えとけ。こんなのはまだ本来の10分の1もない」
ピキピキと、その両手から創り出される氷魔法。
理事長の魔法すべてを吸収してしまった大きな太陽に対して、彼の魔法だけは効果を出していた。