不滅のユースティティア。




魔法士になれば周りより優遇された報酬を受けることができる。

一般市民と比べ、生活も潤う。


魔法で国を守る最先端な存在として位置することができる。


つまり、魔法を生業(なりわい)とした安泰が保証されるようなもの。



「初期魔法のひとつも使えない、お前みたいなワケわかんねえ偶然で入った詐欺師とはちげーんだよ何もかもがッッ!!」


「………ご、めん」



って、けっきょく謝るのは私なんだ。


どうして怒られているのかもちゃんと理解はしてない。

してないけど、魔法士という存在がどれほど彼らの憧れで、この学校がどれほど倍率の高いことか。



「2度とあんなこと言うなよ。つぎ言ったら俺の魔法で殺すからな!!」



レンズ1枚挟んでいたとしても、聞こえてくるものは聞こえる。

込み上げてきそうになった涙だけは、どうしてか抑えてきた眼鏡。


幼い頃から祖母に渡されて、ぜったい身に付けていなさいと、そうでなければダメと、言われつづけてきたもの。



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