不滅のユースティティア。




あそこまで強大な魔力は、できれば夢であってほしい。



「あれは確実に江架の魔力が生み出したものだった。あそこまでの力を持っていただなんて…すごいな」



だれが静めてくれたんだろう。

ルス先輩から感じる魔力も弱まっていることから、私が気を失ったあと、“彼”に協力したのかもしれない。



「……わたし…、あんな怖いの、やだ…」


「怖い?僕はすごく……温かかったよ」



なにを言うの。

身体ごと吹き飛ばされて、ルス先輩が創ったシールドだって何回も何回も壊してきたような。


そんな、そんな恐ろしい魔力だったというのに。


温かい、じゃない。
びっくりするほど熱かった。



「今は理事長も保健室で休んでる」


「……あの…、男のひと、は」


「…江架の眼鏡を直してどっか行っちゃった」



眼鏡……?
────…あ。

ほんとうだ、直ってる。


伝わってくる魔力がまた懐かしくて、さっきまで見ていた忘れかけた夢の欠片だけでも思い出した。



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