不滅のユースティティア。
「魔法は殺すものじゃない」
「…は?」
無意識だと言われればそうだし、意識的に放ったと言われればそうだ。
「殺すために魔法を使おうとしてる人間なんかに、魔法を使う資格はない。そんな奴は……魔法士になる資格もない」
魔法はうつくしいものだ。
魔法は、人々に愛と調和をもたらすもの。
───そう、祖母は昔から聞かせてくれた。
「お、お前なんかに言われたくねーよ…!!お前がいちばん資格も権利もねえだろうがっ!!!」
「おいサディア!やめろって…!!」
「きゃー!!なにしてんのよサディア…!」
突風が吹き荒れた。
目の前の男が感情的になって呼び起こした魔法が、教室中の机や椅子を巻き添えにする。
ぜったい取り外してはならない。
なにがあっても、どんなときも。
そう言われていた眼鏡が、荒れた風によって私の耳から離れそうになった───瞬間。