不滅のユースティティア。
魔力開花すらしていない私とペアになるだなんて、そんな生徒が万が一の確率で現れたなら軽くドン引いてしてしまいそうだ。
逆に私が。
どういうつもりなのですか、って。
「たしか先輩も後輩も男も女も属性も、ぜんぶ関係ないんだっけ…」
呼び出された理事長室までの足取りがどうしたって重いから、せめて真面目に考えてみる。
聖アヴィス魔法学校は、年齢や入学した年ではなく、魔力の強さによって先輩後輩が分かれる。
たとえDクラスだとしても年齢として見れば私より年上の生徒だっているし、Aクラスに私と同い歳の才能ある生徒がいることだって珍しくない。
ペア決めは先輩、つまりは上クラスの生徒からお誘いがあるみたいなのだけど、果たして最下層クラスにどれほどの生徒が来ることやら。
「なあ、あいつだろ?初期魔法すら使えない詐欺師って」
「そうそう。よく堂々と歩けるよなあ~。髪と目だって、なんだよあの色」
「泥でも被ったんじゃね?」
「ぎゃははっ!!名前も意味わかんねーしよー!」