不滅のユースティティア。
外から注意換気は聞こえたが、とっさに避けるという神技を持っていたなら私はここまで立ちすくんでいない。
「わあ……!!」
パリンッッ!!と、確かに窓ガラスが割れた音はした。
したけれど、私の驚きは恐怖から出たものではなく、目の前の光景につい見入ってしまったもの。
ゴオオっと音を発しながらボールを取り巻いた、小さな竜巻。
ふわっ、ふわり。
ボールはあっという間に速度を緩めながら地面に軽く落ちた。
ので、私に怪我はいっさいなく。
「す、すごい……」
魔力だけは感じることができる私は、クラスメイトたちから日々感じるものとは比べ物にならない力を見た。
床に転がったボールは、同じようにしてグラウンドへと戻される。
「ありがとー!ケガしてないーー?」
勘違いしてる…。
他クラスの生徒だからか、遠目だからか、私が自分の魔法でボールを避けたと思ってる。
どうしようか迷った末の、両手でマルサイン。
背徳感を抱きながらも、私はすぐにキョロキョロとあたりを見渡した。