不滅のユースティティア。




「……江架…、」


「……ごめん」



焼き殺してしまうかもしれないんだ。
やっとできた友達を。


お母さんがお父さんをそうしてしまったように、私だって同じ道をたどる可能性のほうが高い。


お父さんとお母さんは魔法使いだった。

そんなふたりでさえ、できなかったことを。


たったのさっき初期魔法を使えるようになった程度の私が、彼らを殺さない約束なんか簡単にはできないよ。



「江架、私は他国でたくさんの争いを見てきた。守りたいもののために、自らの命を犠牲にする兵士を数えきれないほど見てきた」


「ローサ、さん」


「私たちのことを考えてくれている気持ちは分かる。…だが、私たちを見くびるな」



ちがう、そうじゃない。

比べ物にならないと言ったら命に対して失礼かもしれないけれど、私が持っている魔力を実際に知らないから言えるんだ。


私だって本来のものがどれほど強大で凶悪なものかは分からない。



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