不滅のユースティティア。
怖いとか、悲しいとか、怒りとか。
負の感情ではなかった。
ルス先輩の表情も、魔力も。
むしろ正反対の気持ちが私に伝わってくる。
それは言葉とは裏腹に、うれしそうだから。
「だから今度は、守りたいと思って魔法を使うんだ。憎しみなんかじゃない、正義としての魔法を僕は使う。…それがね、どんなふうになるのか楽しみなんだよ」
もっと、歪んだ。
その新しく生まれた歪みは、私の孤独を洗い流してくれるみたいに。
「僕は天才だ。いまの僕には、だれにも負けない才能がある」
魔法使いと普通の人間のハーフに生まれ、12歳で魔力開花。
15歳まで属性が分からなかったものの、そこから数年足らずで特待生クラス。
どんな特訓をしたのか、というよりも。
彼はもう生まれ持った才能なんだと私も思っていた。
「江架もだよ」
「…え?」
「江架も、僕と同じ才能を持ってるんだ」
「……わたし、も…?」
私に、才能……?
そんなこと1度だって言われたことがない。
才能なんかなかったから、笑われつづけてきたのだ。
「僕と君は───…だれにも負けない、努力の才能を持ってる」
笑いたいのに涙が溢れて、泣きたいと思ったら笑顔になる。