不滅のユースティティア。
《おやめなさい。争いなど、やめるのです》
枯れ果てた草木は命を咲かせ、荒れ果てた大地は水を取りもどす。
《だれの血も赤く、また、だれの涙も塩辛い。あなたたちは争うべき同士ではありません。これより大地を踏みにじる愚かな者よ、私が制裁を与えましょう》
敵うわけもない相手を目の前にしたとき、許された選択となれば、逃げるかひれ伏すか。
次第においおいと涙を流しだす魔法使いたち。
人間と魔法の共存。
富や領土の分担。
それから町は豊かさを育み、発展を遂げ、人々は魔法で笑顔をつくった。
それはのちに、この国に“神”という存在を確率させた出来事となる。
これらは今から幾数千年も前のこと。
争いが当たり前であったエーテル国の歴史に初めて、休止符が打たれた瞬間であった───。