不滅のユースティティア。




「え…、えっ、…え……、ルス、先輩…?」


「ほ、本物……?だ、だよな…?」


「うそ……でしょ…、Sクラスのルス先輩がどうしてこのクラスに…!?」



透き通るような金髪。
吸い込まれそうなビー玉に似た、碧眼。

白い肌は艶とうるおいを残しているが、触ったら消えてしまいそうな透明感というのだろうか。


どこかの国の王子様───表現としてはしっくりくるが、声は印象を覆すほどにアルト。


いい意味でアンバランス、いい意味で想定外。


初めて、この世の者ではない何かを見てしまったような気持ちだった。



「ヤガミ エカって子、いる?」



さすがに誰もが聞き返した。

え…?
なんて…?と。


それは注目を浴びる生徒から、いちばん出てはならない名前だったからだ。



「先生?八神 江架って子、ここのクラスだよね?」


「え、ああ……そう、だが。きみは……クラスと探している人物を間違えていないか…?」


「間違える?この僕が?」


「あっ、いや…!」



< 30 / 408 >

この作品をシェア

pagetop