不滅のユースティティア。
そこまで言われるハオに対して、さすがに同情してしまう。
そろそろいいかと、ベッドに眠る江架の髪をそっと撫でて僕は魔法をしまった。
「そんなことより私は、レオンハルトさんのほうが心配だ」
「……それは僕も」
“そんなこと”で話題を変えられてしまった不器用さは置いておくにしても、ここが僕たちにとって本題だったのかもしれない。
江架を頼む───と、レオンハルトさんは僕に言ってきたんだ。
この時間のことを言っているようにはどうしても聞こえなくて。
もっと大きくて、もっと深い意味があるんじゃないかって。
そしてその本当の意味は近いうち分かるんじゃないかと、少しだけ怖かった。
「あの人は、過去に私が他国で見た……大切な仲間を逃がすために命を捧げた兵士にどこか似ているんだ」
「…自分を犠牲にした、ってこと?」
「ああ。それがそいつの“正義”だと、私には自分自身にかけた呪いにも見えた」