不滅のユースティティア。




江架は魔力コントロールができていた。

あんなにも大きな吸収魔法を理性で発動させてみせた。


レオンハルトさんだって夜巳さんを救えると、褒めていた。


なのに、どうして。

どうしてここまで“絶対的な安心”が感じられない?



「…大丈夫だよ、レオンハルトさんなら。だって江架の……お兄さんなんだから」


「…そうだな」



S級魔法士が僕たちのそばにはいる。


僕たちだって明らかに強くなった。

実感できるほど、今まで感じていた誇りや自信は嘘だと思える。


これが本当の自信と誇りなのだと、だれにも負ける気がしない。



「…正義、と言っていた」


「え?」


「レオンハルトさんもそう言っていただろう」



これが俺の正義なんだよ、と。


それは守るための正義だろうか。
それとも、憎しみのための正義か。

太陽という魔法を誰よりも恨み、憎み、それ以上に愛してしまっているのが彼だとすれば。



「……なにが終わりなんだろう」



どうなったら決着と言えるんだ。
この戦いの勝利は、どこにあるんだ。

なにが、終わらせるんだ。



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