不滅のユースティティア。
《今から俺は、すこし大きな爆発を起こす》
疑問をすべて確信づけた、言葉。
《夜巳さんは江架を守って、ハオはシールドを張りつづけろ。…ジジイ、……じいちゃんは町のみんなを守ってくれ》
《おい、レオンハルト…、おまえ、なにをする気じゃ、》
「……っ!!その魔法式は…、レオンハルトくん…!!やめなさい…ッ!!」
《レオンハルト…!!お前まさか……っ!!》
S級魔法士たちがこんなにも取り乱している。
それくらいの秘術なんだ、それは。
本当にやってしまうのか。
江架を守るために、自分の身を呈(てい)してまで。
《ルス、───江架を頼む》
最期、あなたはそう言って、僕に振り返った。
見たこともない術式、見たこともない魔法陣、耳にも残らない魔法呪。
天才だ。
天才すぎる、あのひとは。
一通りを終えてパシッと合わせた両手を、今度は片膝をついた地面に開いて当てた。
「────……」
数秒だけ、彼は江架のことを見つめていた。
なにを伝えたのだろう。
自我を失った最愛の妹に、彼はなにを。