不滅のユースティティア。




「あのさー…、ちょっと話せる?」


「え、私と…?」


「ほら、俺の好きな子の話とか聞いて欲しいんだよな!」


「あ…、はい…」



こくんとうなずくと、少年は大人びた顔で優しく微笑んだ。


川縁に並んで座る。

こんな場所があったんだ…と、ぼうっと眺めていると、最初に口を割った少年。



「なんか俺に聞きたいことあるか?」


「………そんなにない」


「ははっ、ちょっとくらいあれよな!」



だって初対面の人にいきなり聞きたいことっていうのも…。

その質問が今いちばん困る。


人見知りは実のところ、最初はちょっとだけしちゃうタイプ。


ただ、ここでも不思議がひとつ。

師匠に対してしなかったように、この人にもぜんぜんしない。



「じゃあ……、その、好きな人の、はなし」


「おお!よくぞ聞いてくれた!」


「……どうやって出会ったの…?」



どんな人なのかも知らないけれど。

出会いって物語のように語られるはずだから、つぎの質問探しのきっかけにもなる気がした。



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