不滅のユースティティア。




「レオンハルトさん、お気をつけて」


「ああ」


「……江架、言わなくていいの?レオンハルトさん行っちゃうよ」



そっと背中を押してくれるルス先輩。

私にスッと落とされた視線は、これまでと同じようで変わった。


私の認識が変わった、と言ったほうが正しいかもしれない。



「おっ、お兄ちゃん……!!」



こっ恥ずかしかった。

本当はずっと言いたかったけれど、いざってなると怖じ気づいた。


勇気を振り絞って大声、ピンクブラウン髪をした彼はドラゴンの動きを止めてまで振り向いてくれる。



「お土産っ、たくさん買ってきてね…!!ぜったいまた戻ってきてねっ!待ってるよーーー!!」



驚いて、私にしか見せない顔。

こんなにも優しい顔をしてくれていたのは、私たちは兄妹だからなんだって。


彼にとって私は妹で、私にとっても彼は兄。


また聞こう。

私が赤ちゃんのとき、どんな生活をしていたか。



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