不滅のユースティティア。




お兄ちゃんしか知らないお父さんとお母さんのお話も、たくさん聞こう。



「わっ!もう帰ってきてくれたっ」


「ちがう」



大迫力なペットの背中から、ふわりと降り立った兄。

私のもとへ戻ってきたかと思えば、自分が付けていたピアスの片方を私の耳に取り付けた。



「お前も、みんなに迷惑かけんじゃねえぞ。…なにかあったらすぐに戻る」



このピアスにだって、いろんな愛が込められている。

ぜったい切れない絆。
つながっている証。


私に万が一のことがあったとき駆けつけてくれるお守りとなって。



「ルス、手のかかる妹だが頼んだ」


「ふふ。はい」


「おにーーちゃーーん!私もそのドラゴンくんにいつか乗せてね……!」


「お前にはまだ早い」



そう言って、彼は爽やかな顔で国境を越えていった。



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