不滅のユースティティア。




もっと早く呼べばよかった。
うじうじしてるんじゃなかった。

なにに自分は恥ずかしさを感じていたんだろう。


そんな気持ちがぶわーっと押し寄せては、また彼が帰ってくるときが待ち遠しい。



「…江架、」


「ルスせんぱっ、───っ、!」



名前を呼ばれて、嬉しくなって顔を向ける。

一緒に腕も伸びてきたから、あたまを撫でてくれるんだと思った。


そのまま引き寄せられて、唇に柔らかい初めてのものが重なるまでは。



「ん…っ、るす、せ……っ」



すぐに離れはしなかった。

ぐいっと後頭部、もっと深く押し付けられる唇。


こんなものを彼は本当はずっとしたかったのかなって。


そんなことを思ってしまうほど、ルス先輩にしては強引な動き。



「───…これからはこっち、たくさんしてもいい?」



魔法じゃない。

元気づけたり慰める魔法じゃなくて、これは伝えるための愛。



< 396 / 408 >

この作品をシェア

pagetop