不滅のユースティティア。




「アレフ、今までこんなことあった?」


「…ないから驚いてる」


「じゃあ初恋ってことだね」



アネモス、初めての恋をする。

もしタイトルを付けるなら、こんなシンプルなものがいちばんいいかもしれない。


アネモスはその“シャイロちゃん”という、マリア先生が使う風魔法に恋をしたらしいのだ。



「そりゃ熱くもなるよ。恥ずかしくて隠れちゃうこともあるよ。ははっ、だってそれが恋じゃないか」


「おい、面白がるな」


「いやいや俺は興味があるんだよローサちゃん。これって考えようによっては魔法界の新発見だろ?魔法が魔法に恋、なんてさ」


「…ハオ、アネモスはアネモスだ。誰かを好きになったりもするよ」


「…うん。もちろん分かってるよ、アレフ」



となると、困ることはひとつだけ。

今後アネモスがアレフくんの言うことを聞かなくなる可能性があるということ。


反抗をするようになれば、アネモスにとっての優先順位が変わってしまうかもしれない。



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