不滅のユースティティア。
「年下の子ってのもそうだけど、この、なんていうの。見てるだけで不安になる感じ?」
………不安になる感じ、だと。
たしかに胸を張って堂々と歩くことはできないし、魔法に関しては不安がられないとおかしい立場だ。
ので、否定できない。
「…可愛いでしょ。わりと試練が多くて楽しそうなんだよ」
「試練?」
「うん。この子、まだ魔力開花されてないんだって」
「え」と、他に言いたいことがありそうなアレフくんの反応を消してしまった、ハオさんの意味深な微笑み。
「……へえ。そーいうことね」
「で、1ヶ月以内にクリアしないと退学」
「うわあ、絶望的」
「でもないよ。だって僕がいるから」
どこからやってくる自信なんだろう。
申し訳なさと憧れと不安に、私はレンズの奥、泣きそうになった。
「ねえ江架。江架は魔法が使えるようになったら、なにをしたい?」
優しく投げかけられる。
込み上げる気持ちに消えそうになっていた私を引きもどす、声。