不滅のユースティティア。
ぐるりと居間を見渡して、どこか興味津々なルス先輩。
私はいまだに寝癖のついた寝ぼけ眼な瞳をゴシゴシこすって、あくびをひとつ。
「もう、江架。あなたのために来てくださったのよ?ほら寝癖なおして背筋は伸ばす!しゃんとなさい」
「……うん…、ねむい」
「…ほんと、いつもこんな調子で困っちゃうわ」
言葉どおりの顔で息を吐くおばあちゃん。
朝から穏やかで爽やかな笑顔を向ける、ルス先輩。
「とりあえず、着替えようか江架」
「ええと…、特訓だとは思うのですが…、こんなにも早くから一体どこに行く……あれ??」
「うん。完了」
脱いでない。
自分で脱いでいないのに、寝間着姿だった私は特訓着姿に変わっていた。
着替える手間も時間も、魔法にかかればお手のもの。
得意げに笑った私の相棒さんは、用意された荷物を見て「これだけ?」と言った。
「2日分くらいだろうから、これくらいかなって…」
「いやいや1ヶ月だよ」
「………えっ!?」