不滅のユースティティア。




「おばっ、おばあちゃ…」


「じゃあね。行ってらっしゃい」


「……あっさり」



けれど、見えなくなるまでずっとルス先輩に深く頭を下げていた祖母。

魔力開花させるまで戻らないと決めて、涙ぐみながらも私は地面を蹴った。


こうして私の戦いは始まった。


────の、前に。



「お、お城……?」



宮殿…?

こちらは本当にお家なの…?


私が暮らすお家も周りから変わった目を送られるけれど、ここはレベルというものをポーンと超してしまっていた。



「ここは江架専用として用意したから、好きに使って。一応はトイレもお風呂も部屋内にあるし、困ることはないと思うよ」


「………なさすぎる」


「ほんと?よかった」



高級ホテルより高級ホテルじゃない…?


ドアというより門だったし、玄関というよりロビーだったし、部屋というよりホール。

大理石が敷き詰められた廊下なんかは、まさにピッカピカのツルツル。


こんなにも大きくて立派な白いお城が、どうにもこの人の家らしいのだ。



< 67 / 408 >

この作品をシェア

pagetop