不滅のユースティティア。
「おばっ、おばあちゃ…」
「じゃあね。行ってらっしゃい」
「……あっさり」
けれど、見えなくなるまでずっとルス先輩に深く頭を下げていた祖母。
魔力開花させるまで戻らないと決めて、涙ぐみながらも私は地面を蹴った。
こうして私の戦いは始まった。
────の、前に。
「お、お城……?」
宮殿…?
こちらは本当にお家なの…?
私が暮らすお家も周りから変わった目を送られるけれど、ここはレベルというものをポーンと超してしまっていた。
「ここは江架専用として用意したから、好きに使って。一応はトイレもお風呂も部屋内にあるし、困ることはないと思うよ」
「………なさすぎる」
「ほんと?よかった」
高級ホテルより高級ホテルじゃない…?
ドアというより門だったし、玄関というよりロビーだったし、部屋というよりホール。
大理石が敷き詰められた廊下なんかは、まさにピッカピカのツルツル。
こんなにも大きくて立派な白いお城が、どうにもこの人の家らしいのだ。