不滅のユースティティア。
この1ヶ月、私がいま持っている魔法書のすべてを封印すること。
なにがなんでも、ぜったい、読まないこと。
それがまずの約束だった。
「いい?ここ、人間にはこの場所に第三の目が必ず存在してる」
トントン。
綺麗な長い指が当ててくるのは、私のおでこ。
「そこに神経を集中させるんだ。魔力開花の基本は知、心、体。これを統一させること」
「ち、こころ、からだ……」
「そう。心と体は説明しなくても言葉どおり。残る“知”っていうのが、いま言った第三の目のこと。
これだけは目にも見えなければ感じることすらできないから難しい」
私の頭上にセットされたコップ。
なかには1杯分の水。
ここに入った水だけを、手を使うことをしないで床に置かれているバケツのなかに戻すという特訓。
精神と連結させているため、精神が揺らげばコップは倒れ、水が自分に降りかかる。
もし魔法を使えたならば、降りかからず止めることもできる。