不滅のユースティティア。
すとんって落ちちゃえばいーの。
いま立ってるそこの床、抜け落ちちゃえ。
そんなふうに念をこめてこめて、魔法書に記載されているとおりに精神コントロールをしてみたところで。
………できたら苦労しないよ、もう。
「なあ今日すげえ暑くね?」
「んじゃあノックス、口あけろクチ」
「へ?───うあっ!ひゅへへー!」
「どーだ俺の魔法!」
あちらでは片方の口のなか、なにもない場所から氷が生まれちゃったりして。
ここはDクラス。
魔法学校のなかでも最下層に位置する、いっちゃえば底辺クラス。
だというのに、周りは魔法マホウ魔法、そして魔法の連続で嫌になる。
「おいガリ勉メガネ!お前まだそんなの読んでんのかよ!」
「あ…!」
ひょいっと奪われた魔法書。
いつも持ち歩いている1冊が、私の唯一のお友達であり味方だった。
───ガリ勉メガネ。
勝手に付けられては定着してしまった、あだ名。